そして、「腐れ」は枝の切り残しの部分だけにとどまらず、やがて幹の本体にまで入ります。すると、こんなに大きな空洞ができてしまいます。

こうしてできた空洞には、どう対処すればいいのでしょうか。
過去に、こうした空洞には、腐った部分を削り取り、モルタルやウレタン樹脂を詰めていたこと、その治療方法に対して現在は疑問が出されていました。
現在でも、ウレタン樹脂を詰める手法は行われているようですが、重要なのは、空洞があっても、樹木の生育にはほとんどまったく影響がないということです。 |
|
|
樹木の内側の部分は生きていないのです、と言うと、ビックリされてしまうかもしれませんが、 樹木にとって生きているのは、樹皮の少し内側にある「形成層」という部分です。この僅かな層を通じて樹木は栄養分や水を体内に巡らせています。
内側の部分は、古い形成層の痕で、その箇所がなくなったからと言って、生きている樹木の養分吸収の過程にはなんの影響もありません。
ただ、中が空洞になってしまうと、構造的に弱くなり、風などによる倒木の危険性は高まります。 |
そのためには、支柱をしてやったり、ウッディードクターを詰めて空洞を埋め固める必要があります。
空洞に、モルタルやウレタンを詰めた所で、構造を強くするのに何の助けにもなりません。
強度の面から考えれば、空洞は広がらないに越したことはありません。
木には、「区画化」といって自分自身で腐りを食い止める「防護壁」を作る力があります。
この力は、樹勢の強い木ほど、よく働きます。
空洞を広がらせないためには、樹勢を強め木そのものの持つ力で防護壁を作らせることも、大切です。そのために、土壌改良を行って根の環境を良くしたり、活力剤を与えたりします。(庭木のツチトコもお勧めです)
もちろん、一番大切なのは、そもそも「腐れ」が発生するような原因を作らないことです。
適切な剪定をすることで、庭木の場合は、空洞化の原因をかなり減らすことができます。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|